卒意
通常攻撃: 最大5段の攻撃で敵に寒冷ダメージを与える。操作中のオペレーターの場合、重攻撃はブレイク値18を与える。 落下攻撃: 空中で通常攻撃を使用すると、落下して周囲の敵に寒冷ダメージを与える。 終撃: 近くにブレイク状態の敵がいるときに通常攻撃を使用すると、その敵に終撃を行い、高い寒冷ダメージを与えてSPを一定量回復する。
スーは大剣を使う補助オペレーターで、寒冷属性のダメージを与えることができる。

通常攻撃: 最大5段の攻撃で敵に寒冷ダメージを与える。操作中のオペレーターの場合、重攻撃はブレイク値18を与える。 落下攻撃: 空中で通常攻撃を使用すると、落下して周囲の敵に寒冷ダメージを与える。 終撃: 近くにブレイク状態の敵がいるときに通常攻撃を使用すると、その敵に終撃を行い、高い寒冷ダメージを与えてSPを一定量回復する。
目標に筆意と行動停止を付与し、寒冷ダメージを与える。同時に目標に寒冷付着を付与する。編成内の01位置が灼熱属性のオペレーターの場合、与えるアーツ付着は灼熱付着になる。筆意が付与された目標はダメージを受けると、ダメージの一部を記録する。筆意の持続時間が終了すると爆発し、範囲内の敵に記録したダメージ量の固定ダメージを与える。発動後、一定時間戦技が墨継に替わる。 墨継:SPを15消費し、筆意が付与された目標の体内から墨魂を抽出する。墨魂が受けたすべてのダメージと効果は本体に伝達される。墨魂の持続時間は筆意の残り時間と同じ。発動後、一定時間戦技が収筆に替わる。 収筆:SPを消費せず、墨魂をその時点で消失させる。墨魂が消失するとき、元の目標に向かって移動し、筆意と同じ効果の爆発を発生させる。 墨魂と筆意状態の目標に同時にダメージまたは効果を与えるとき、ダメージまたは効果は1回分のみと見なされる。墨魂が存在している間に元の目標が倒された場合、墨魂は戦闘中の別の敵に繋がり、その敵に筆意を付与する。この際、持続時間はリセットされない。墨魂が抽出されていない状態で、筆意状態の目標が倒された場合、その位置に墨魂が生成される。
敵の寒冷付着または灼熱付着が消費または吸収されると発動可能。 墨龍を召喚して寒冷ダメージを与える。ダメージは消費または吸収した付着の最大段階数に応じてアップする。
絵巻から巨大な墨龍を召喚して寒冷ダメージを与える。同時に、チーム全員に一定時間の寒冷増幅と灼熱増幅を付与する。

応接室配属時、手がかり捜索速度+20%
昇進段階1で解放

応接室配属時、手がかり捜索速度+30%
昇進段階3で解放

応接室配属時、船室内全員の体力消耗-14%
昇進段階2で解放

応接室配属時、船室内全員の体力消耗-18%
昇進段階4で解放
戦技「山河を映して」による行動停止の持続時間+50%、筆意のダメージ記録率+7%、爆発範囲の半径+40%
連携技「胸中に成竹在り」発動時、10秒間攻撃力+[8%+3%×消費または吸収した最大付着段階数](重ね掛け不可)
必殺技「白けさせるでない!」のダメージが1.2倍までアップし、付与する増幅効果が1.2倍までアップする
必殺技「白けさせるでない!」に必要な必殺チャージ-15%
連携技「胸中に成竹在り」のCD時間-2秒、ダメージが1.15倍までアップする 発動可能になるとき、付着が1段階多く消費または吸収したものと見なされる
【コードネーム】祀 【性別】女 【身分証明】宏山科学院 【誕生日】9月15日 【種族】非公開 【鉱石病感染状況】 メディカルチェックの結果、非感染者に認定。 【能力測定】 物理強度:■■ 戦闘技術:優秀 戦術立案:標準 アーツ適性:欠落
スーは巨獣の代理人である。無職。宏山科学院とは長年にわたって関わりを持っている。管理人の推薦によりエンドフィールド工業に加入し、現在は巨獣に関する理論および応用技術の支援を行っている。 「スーさんはエンドフィールドの人事関連手続きに応じることはほとんどありません。唯一あった機会については、私の自己点検ログにも記録されています。スーさんは約束通り帝江号を訪れ、私との面談を行いました。手順どおりすべての質問に答え、署名を終えたその瞬間、彼女は忽然と姿を消してしまったのです。私の演算モジュールはこれを突発事故と即座に判断し、警報を発しました。しかしその後、スーさんは執務室にもう一度入ってきて、私の中央パネルについていた一滴の墨を拭いながら『面白いが、まだまだじゃ』と呟いたのです。スーさんの説明によると、最初に私の前に座っていたのは、彼女が描いた『自分』であり、私がどのような反応を示すかを試してみたかったそうです。つまり、私の反応は彼女の期待に十分応えられなかったということのようです。」 「他愛のない悪戯ではありますが、ある意味ではスーさんの特異性をよく表しています。科学では説明しがたい力を持ちながら、ときおり代理人らしからぬ一面を覗かせるのです。とはいえ、タロIIで巨獣の代理人と接する機会はそう多くありません。人事部の皆さんにも、彼女の気分の変化に何らかの法則性を見出すために、積極的に交流してみることをお勧めします。」 ――エンドフィールド人事アシスタント マーティン・マーヴィン・マーレン
スーがエンドフィールドに加入してから長い間、彼女の姿を実際に見かけたオペレーターはほとんどいなかった。プロファイルにも空欄が多く、「謎」ということ以外、我々はこの巨獣の代理人についてほとんど何も知らなかった。人事部も、スーを推薦した人物――つまり管理人を通じて業務に協力してもらおうとしたが、どうやらあまり効果はなかったようだ……そんな状況が変わったのは、ある後方支援オペレーターが武陵城の火鍋屋で偶然スーと出会ったことがきっかけだった。 互いの素性もまったく知らないまま、2人は同じ新商品キャンペーンに参加し、「ライム&ゴーヤ」「鱗獣ハラミとオリジムシ風味」「竹林虫の水炊き味」など、名前を聞いただけでは想像もつかないような新作火鍋スープを一緒に味わったそうだ。スーが自分の宿の料理人のために味を盗みに来たと知ると、そのオペレーターは「こんなに若いのに商才もあって、しかも味のセンスも抜群だ」と大絶賛した。すっかり機嫌をよくしたスーは、彼女の分までまとめて会計を済ませたという。そのオペレーターが彼女の正体を知ったのは、後日、人事部でスーの写真を目にしたときのことだった……それ以来、さまざまな場所でスーと偶然出会ったというオペレーターが続々と現れるようになった。それは、武陵城で行われた龍泡泡の発売イベントや、ラヴァンドマのロボット体験館など、思いもよらぬ場所にまで及んだ。目撃情報を巡り、顔を真っ赤にするほどの言い争いになったこともあった。本人たちの話によると、まったく同じ時刻に、1人はセシュカの巫術杖オークションで、もう1人はサーミの祭祀でスーを目撃したという。前者は、スーこそがいたずら半分にオークション最後の目玉商品を横取りした張本人だと言って譲らず、後者は、その日の雪祭司に紛れて酔っていた謎の客は間違いなくスーだったと言い張った――しかし、2つの場所は千里も離れている。それどころか一方は空の上、もう一方は地の底。このような話は、今となっては真偽を確かめようもない炎国の伝説でしか聞いたことがない。ともあれ、オペレーターたちの話をまとめると、スーは世を避けてひっそり暮らす代理人というより、元気が有り余ってじっとしていられない子供のようである、ということだ。 こうした目撃談が相次ぐようになり、帝江号で先行上映会等のイベントが行われる際、あるオペレーターは勇気を出して再び管理人を通じてスーに招待を送ることにした……すると、スーは約束通り姿を見せた。我々も次第に、この代理人はこういう性格なのだと受け入れるようになった。茶目っ気があり、頑固で融通の利かない人を嫌い、新しいものには目がなく、さまざまな物事に子供のような好奇心を向ける。もしかすると……巨獣の時間感覚からすれば、彼女は本当にまだまだ若いのかもしれない。 ミンホからのアドバイス:「子供」や「若い」といった表現は削除したほうがいい。スー代理人は年齢の話にとても敏感だ。前に「わらわはタロⅡの文明とほぼ同い年じゃ。皆、わらわから見れば若造よ。」と言っていた。 オクギからの補足:いざというときは、我々と同様に代理人の力を信頼し、任せてほしい。普段の行動とは関係なく、彼女の能力は信頼に値する。それに、本人も疑われることが好きではない。 正体不明の訪問者からの謎めいた助言:機嫌を損ねたら、すぐに管理人を呼ぶべき。
【応龍特殊部隊訓練記録・三】 場所:宏科院管轄区域・名もなき荒野 内容:代理人と新たに選抜された隊員との顔合わせ 備考:代理人は事前説明なく欠席したため、通常訓練に変更。引率の先輩隊員が新人を慰めた。代理人は応龍特殊部隊の設立と計画に携わってはいるものの、宏科院で正式な役職には就いておらず、現状はあくまで協力者という立場である。退役するまで一度も彼女に会えない隊員も多い。 【応龍特殊部隊訓練記録・八】 場所:宏科院本部・談剣堂 内容:巨獣の力の応用に関する代理人の解説 備考:代理人は事前説明なく欠席したため、急遽、禁軍の靖天都尉イェ・ミンホとエンドフィールドの管理人に代理を依頼。訓練内容を変更し、槍術および源石応用技術についての実技や意見交換とした。 【応龍特殊部隊訓練記録・二十一】 場所:代理人がその場で描いた絵巻の中 内容:巨獣の力の応用に関する代理人の解説 備考:代理人はすこぶる上機嫌で、訓練の予定を3時間もオーバーした。10種類以上もの力を隊員たちに自ら進んで披露。本人曰く、どれも「ちょっとしたコツ」らしいが、常識では考えられないほど不可思議なものであった。石や木を自在に動かし、誰も抜け出すことのできない庭園を築き上げる。堅牢な盾や巨剣を何気なく鋳造する様は、まるで虚空から伝説の武具を取り出しているかのようであった。種をひと粒植えれば瞬く間に成長し、枯れ、再び芽吹き、人の時間と因果に対する感覚を惑わせる。墨で描いたものは現実となり、虚実の境すら曖昧になる。四角を丸に変え、人の生死までも思うがまま……もちろん、こうした力のごく一部を我々が扱おうとするならば、特殊な装置が必要であり、代理人のように意のままに操ることもできない。しかし、この力が戦場にもたらす可能性は計り知れない。応龍が複雑な作戦任務を遂行するうえで、大きな助けとなることは間違いないだろう。 追記:ただしこれほど不思議な力でも、うまくいく時といかない時がある。たとえば、鋳造した大盾の中央にはっきりと気泡が残っていたり、描いた太陽が空の端に浮かび、ぽたぽたと墨を垂らす黒い塊になっていたり……頻度が高いわけではないが、そういうことは起きている。もっとも、代理人はそのたびにうまく誤魔化している。わざとらしく大きな咳払いをしたり、突然川を描き始めて、水上戦で我々の力を試すと言い出したり、あるいはいきなり訓練終了、解散を宣言したり…… 理解できない話ではない。「できる」ことと「極める」ことは別だ。戦いだろうと技術だろうと、本当の意味で身につけるなら、一生かかるのが普通だ。代理人の場合、少し事情が違うかもしれないが……彼女が巨獣「歳」と12人の代理人が持つすべての力を継承してから、まだそれほど時間が経っていないのは確かだ。しかし、彼女が力を尽くしてくれたからこそ応龍特殊部隊は存在する。そして、我々の家を守ることができているんだ。 ――応龍特殊部隊作戦隊長 オクギ
宏山科学院に属する各種専門組織の中でも、司歳台が設立されたのは比較的遅く、その役割もテラ本土に存在する同名組織とは大きく異なる。もともと司歳台は、「大討伐」と呼ばれる戦争の後、眠りについた巨獣「歳」に対処するため炎国が設立した機関である。所属する「持燭人」は、「歳」から分かたれた12人の代理人の動向を長期にわたって監視するとともに、それに伴って発生するさまざまな二次災害の制圧を担っていた。司歳台と、その監視対象との関係は、千年近く極めて緊張状態にあった。 一方、宏山科学院の司歳台は、どちらかといえば情報戦略と技術支援を担う機関に近い。巨獣の力を応用する技術の開発に取り組み、軍事から人々の生活といった幅広い分野で宏山科学院を支援している。また、司歳台そのものだけでなく、後に設立され、その指揮下に置かれた「応龍特殊部隊」にも、巨獣の代理人であるスーが直接関わっている。しかも、本人はどうやらそれを楽しんでいるらしい。司歳台にとってスーは、少々変わったところのある顧問、といった存在なのだろう。 【特別記録】 「……妹にとっては、タロⅡどころか、この天地でさえ狭かろう。とはいえ、まだ年若い。まずは一歩ずつ、着実に歩みを重ねることが肝要だ。そこで宏山へと修行に出したのだ。タン天師には、目をかけてやってもらいたい。何か便宜を図ってもらうことがあれば、いつでも私が礼に伺おう。」 「……兄様からの手紙はこれだけか?」 「これだけって、十分でしょ?あんたは新たな代理人。あんたが本当に成長しきったとき、天地をも揺るがすような、どれくらいの力を持つことになるのか、誰にもわからない。もし『歳』みたいに手がつけられなくなったら、タロII全体でかかってもどうにもできなくなるかもしれない。だから今のうちに私たちと関わっておくのは、あんたにとっても宏科院にとっても悪い話じゃないの。それに……私はあいつに脅されたのよ。もしあんたがひどい目に遭わされたら、どこにいようと私のところに乗り込んで面倒ごとを起こしてやるって。そんなの、直接刀を送りつけてくるのと一緒じゃない!」 「に、兄様にそんなつもりはなかろう……タン天師は宏科院で一番古株の天師じゃ。少なくとも……少なくとも、わらわはちゃんと敬っておる!」 「あらあら、あんたは兄や姉よりよっぽど可愛げがあるじゃない!それで、特殊部隊の件はどう?考えは決まった?あんたも宏山に来てからそれなりに経つでしょ。」 「わざわざ管理人まで説得役として連れてきたのじゃ。わらわがこうしてここに座っておるのだから、聞くだけ野暮じゃろう?」 「わかったわ。じゃあこれがタロIIの『司祀台』最初の仕事ね。」 「司『祀』台!?」 「ん?『歳』をめぐる一切は、すでにテラで決着がついたわよね。あんたの兄や姉たちも、今では自由気ままに暮らしてるでしょ。そう考えるとこの場所で『司歳台』だなんて、あまりにも不正確……」 「司歳台のままでよい!『司祀台』など聞こえが悪かろう。まるで、わらわを取り締まるための組織ではないか!」 「はいはい、わかったから。あんたの好きにしなさい。」 「では……特殊部隊の名はどうするのじゃ?」 「あの子どもたちはくだらないことをああだこうだ気にしてるみたいだけど……私に言わせれば、あんたがいたからできたってことでしょ。それなら、いっそ『応龍特殊部隊』にするのはどう?」 「さすがはタン天師じゃ!センスが良いのう!」
すべてに決着がついたあと、歳獣は夢から目覚めることはなかった。 その肉体は奪われ、混沌の中で意識は静かに沈んでいった。かつて歳獣を形作っていたものが何であれ――傲慢、憤怒、憎悪、無念。そのすべてが器を失ったことで消え去っていた。むしろ肉体を失ったことで、歳獣はあの問いに向き合わねばならない幼子となった。 「我は誰か?」 虚無の中に、答えなどない。もしかすると、この問いに答える資格すらないのではないかと考えた。 歳獣は諦めた。長きにわたる討伐と、自らを相手にした果てのないせめぎ合いの中で、初めて思考さえ億劫になるほどの疲れを覚えた。そしてその疲労の中で、かつて得ることのできなかった安らぎを手にした。 ………… だが、歳はあまりにも長く存在し、あまりにも強大で、あまりにも多くへと分かたれていた。そう簡単に完全な消滅を迎えることはできなかった。その意識が自らを追放する道を選んだ後でさえ、何かが朝露のように自然と浮かび上がり、青々とした葉の間からこぼれ落ちる…… ぽたり。 その音に、まだその場にいた歳獣の代理人の1人が気づいた。 それは……憐れみだったのか。それとも、警戒だったのか。彼はすぐさま、その純粋な意識を捕らえた。それはまだ言葉も知らず、何の力も持っていなかった。歳獣そのものと繋がりがあるのかさえ、定かではなかった。脆く、か弱く、頼りなく揺らめく……そう、まるで蝋燭の灯のように、明るく、そして澄んでいた。 代理人たちは初めて、どうすべきかわからず戸惑った。どう扱うべきかを、皆で話し合った。 疑いようもなく、それは歳獣に残された最後の残滓であった。目にした瞬間、代理人は皆、それを悟っていた。歳獣の禍根を完全に断つのであれば、この場で消し去ってしまえば良い。 しかし、それはただ静かに手のひらの上に横たわっていた。 本当に、人々が知るあの歳なのだろうか?たとえ生き延びるためであろうと、傲慢な歳獣が代理人たちの前で無防備な姿をさらすことなどない。ただ、これがもし生きる道を求める新たな命なのだとしたら――代理人たちはおぼろげに、自分たちが「生まれる」前に抱いていた感覚を思い出した。 探していた。「何をもって我となるのか」その答えを懸命に探し求めていた。「自我」の残滓から、その答えへ至る道を見つけられなくなったとき、無意識のうちに、自らの「血縁」を頼った。 かつて夢の中で人の世を歩むために生み出した赤子たちが、今では逆に、この命の行く先を導く年長者となっている。12人の歳獣の代理人にとって、それはなんとも皮肉な巡り合わせだった。話し合いは結論に至らなかった――ある日、その意識の殻を破って生まれた声を、はっきりと耳にするまでは。 その声もまた、か細く、弱々しかった。だが、驚くほど何も知らない、無垢な声だった。 その声は尋ねた。「わたしは、だれ?」 そして、もう一度。「ここは、どこ?」 最後に、こう尋ねた。「あなたたちは、だれ?」 ………… 最終的に、代理人たちはその意識を星門の向こうへ送り、未知の天地へ旅立たせることにした。たとえ歳の陵墓に残された巨獣の残滓であろうとも、あまりにも多くの因果を背負っていることは、彼らにも分かっていた。だが、それでも……彼女が何も知らないのなら、彼女は歳獣ではない。 もしかすると彼女にとって、答えはかつて歳獣が敗れたこの大地にはないのかもしれない。まったく新しい魂が、まったく新しい世界と出会う。そうすれば、1人の「人」として自分がどこに立つべきなのかを見つけ、あの問いへの答えを得られるかもしれない。 こうして、小さな意識の塊は、たくさんの……ええと、雑多な品々を抱え――本当に雑多じゃったのう。皆、何でもかんでもわらわに……いや、彼女に持たせて――タロIIへとやって来た。 その後のことは、また別の物語じゃ。
ふんっ、面倒を起こして、それで思い出したのか?
ツケでよいな。あとで、わらわへの支払いを忘れるでないぞ。
話しかけるな。集中できぬであろう。
黙るでない。静かすぎて気が散るじゃろう!
お主が選んだのか?……ちょいと筆を入れる。うむ、これでわらわのものじゃ。取り返そうなどと考えるではないぞ。
なんと、翼の収まりまで考慮されておると……ふ、ふん。これくらい当然じゃ。褒めたりなどせんからな。
おお、閃いた!急いで紙を寄越すのじゃ。ぼんやりするな!
忘れぬよう、何遍も見て……うむ?なぜ笑う、お主に言っておるのだぞ!
何でも頼ろうとするでない、わらわは名を貸しておるだけじゃ。エンドフィールドは面白い場所だと言ったのはお主じゃろう?
ほれ、手を出せ。尻尾で判を押してやるから、これを署名の代わりとせい……次また押すときまで、擦って消してはならんぞ。
墨魎よ、管理人の言葉を一言一句記録しておけ。宏科院から応龍の若造どもに話をするように頼まれていてな。ちょうど使えると思ってのう……
ずっと昇進させてくれてはおるが、お主が約束を果たせぬのなら、わらわは宿に帰るぞ。エンドフィールドはエンドフィールド、お主はお主。それぞれ別モノじゃからのう!
ほれ、しっかりくわえて、墨が乾くまではじっとしておれ……これはお前にじゃ。絵ではのうて、落款をよく見よ!わらわの名前、また忘れたらタダじゃおかんからな!
こんなところか……もう下書きは完成じゃ、ゆっくりで良いのじゃ!
わらわとずっと一緒にいて、代わりに署名することも出来ぬのか!
わらわを騙して呼びつけて、自分は知らん顔するつもりか?ダメじゃ。最後まで付き合え!
お主、黙って通り過ぎようとしたな?わらわが見えなかったとでも言うつもりか!
……10年前の件、埋め合わせはいつするんじゃ?
ぼんやり突っ立って、どうしたの……じゃと?窓に『タロⅡ行旅図』を描いておったのだぞ。お主が遅刻するから、すっかり消してしまったがのう!
帝江号に来るたび、お主は必ず顔を見せるのう……む?先ほど角で墨魎を見ただと?……う、うむ、わらわの通り道にお主が勝手にやってきただけじゃろうが!
お主の肖像画を1枚描いて、絵の中に持っていきたいのじゃ。さすれば、絵の中で案内がなくとも器鬼に悩まされぬはず……む?10年前にも確かに描いたが、そのときは顔にそんなものを着けていなかったじゃろう?
地図、枕、菓子、炉、眠気覚ましの茶……次にサーミへ行くときの持ちものを確認しておった。外でぶらぶらしてこそ閃きは生まれる。何か、他に持っていくものはあるか?……これほど話してまだわからぬのか、一緒に行こうと言っておる!墨魎がおる、荷物持ちなどではないぞ。阿呆め!
先ほどペリカを見かけたが……あの監察官の小娘とお主はそっくりじゃ。今にも眠りそうなくらい無理をして……いや、違うな。同じじゃ!お主もちいと寝て来い!まったく、寝るといえば10年も寝て、寝ないとなれば目も閉じんとは!
ここからタロⅡの半分が見えるとはのう。それにしても、あの2人はどこをウロついておるのじゃ……誰が兄様姉様を恋しがっていると言った!……そんな顔でじーっと見るな――ああもう……少し、ほんの少しだけじゃぞ!
よし、お主にこれをやろう。戯れに描いただけじゃ、大げさに喜ぶ必要はないぞ――あ、それは……適当に描いた自画像で……返すのじゃ!
ふ、ふんっ。お主は堅苦しいやり方がほんに好きじゃのう――待て!引っ込めて良いとは言っておらぬ!
暇を見つけて宿に戻れ。従業員総出で厨房の天材地宝をかき集め、歓迎の宴を開こうと準備をしておるのじゃ……うむ?誰に礼をするじゃと……?もうよい!わらわはどうせ優しくないからのう、従業員が無駄遣いするのを黙って見てはおれぬのう!
この茶の香を嗅いでみよ。向こうの崖にある良い茶の木から摘んだものじゃが、最も身軽な墨魎でなければ行くことすら叶わぬでのう。10年で集まったのはこれっぽっち。だが、今日はお主に奢ってやろう……む?なぜお主の口は墨だらけに……わらわも?だ、黙って飲み続けよ、一滴も残さずに。顔も上げるでないぞ、とにかくわらわの顔を見るな!
ええい、もうやめじゃ!お主の碁の腕はまあまあと言ったところじゃが、わらわの兄、タロⅡ最強の棋士と比べれば……何じゃと?兄様姉様の話は今月に入ってもう3回目……ふんっ、寂しがってなどないぞ。この山、宿、それに今わらわの傍には……つまり、十分賑やかだということじゃ!
そんな傷で出かけるなど、自分が息壌製だとでも思っておるのか!ふんっ、己のことを顧みぬその悪癖、どうして記憶と一緒に置いてこなかったのだ、この頑固者め!わらわが代わりに行く。任務の詳細を話してみよ。それから、わらわにまたツケ1つじゃからな。忘れるでない!
そこに座れ。夕日が見たくば、筆を取ってお主自身で描いてみよ。前、わらわが独りだったときもお主は呼んでもおらぬのにやって来て……どんな屁理屈も、お主の口を通せば励ましの言葉に変わった。いや、構わぬ。今思い出せないことはわかっておる。だが、もしこれ以上忘れてみろ。10年……いや、150年、絶対口をきいてやらぬぞ!
近頃、絵の中を観光したいという者が増えておる。従業員は広間に伝言板を置いてみてはどうかと言う……悪くはないが、そうするといろんな意見が集まるじゃろう?ぐ、いや……ただ、目を通す暇が無いのではと……わかったぞ。まずはお主が見てふるいにかけ、それからわらわが見るのはどうじゃ?
鍛冶の極致とは、一息の間にすべての工程を終わらせること。心に思い描き、そのまま手の中に生み出す――まるでこの盾のようにな……気泡がある、じゃと?……これは見本じゃ。多少瑕疵があっても、と、当然なのじゃ。わらわの力とは無関係じゃ!
「もっちり天鼓」を知っておるか?ああいった小物が好きで、宿にもコレクションしておるのだが……武陵お絵かきクイズ大会で賞を取らねば手に入らぬ。独りではどうしようも……良いか、次の大会はすぐじゃ。わらわが教えてやる、お主はとにかく学べ……うむ、描くのはお主、当てるのはわらわじゃ。2人なら、ズルせずとも勝てるに決まっておる!
「コマメ」は怠けてばかり、「ハヤテ」はでっぷりとして動きもせぬ、「イサミ」は蚊の鳴くような小さな声で客を迎える……何十年経っても直らん。ああ、そうじゃ、あの3人は帰る場所がないと言うから、わらわが絵の中に連れて行った。追い出すことはいつでもできるが……ガラガラの宿より、めちゃくちゃな宿のほうが良いじゃろう?
幼い頃は兄様姉様にくっついて、午後は碁と物事の理を学び、夜は読書に、書と絵も学ぶ。残りの時間は3人でタロⅡを巡った……だが、2人はすぐにわらわを宏山に連れてきた。タロⅡは2人にとっても目新しい場所じゃった。傍にいたならば、わらわが本当にここを好きにならぬと思ったのかもしれん。それは理解するが、これほど長い間会いに来ぬとはのう……
宏科院が応龍特殊部隊を立ち上げたとき、確かにわらわもいたが……多少コツを教えたのみで、他は何もしておらん。どうしてか?応龍はリ・チーエンのような石頭だらけじゃ。長く一緒におると、空気でさえカチコチになってしまうわ。ただ、あやつはお主と行動を共にして、だいぶ柔らかくなったようじゃな……そうじゃ、お主がわらわに代わって、あやつらを指導してはどうだ?
エンドフィールドの人事システムはどうなっておるのじゃ!「能力」の欄に武術、詩、絵画、冶金、律、造園……12項目入れた程度で、エラーが出おった。やけに能力が多い、とな?それともたまに失敗するようでは専門とは言えぬと?ええい、はっきり申してみよ!
美しい翼じゃろう。幼い頃に翼が生える夢を見て、それで背中にこれを描いたのじゃ。姉様には随分叱られたがのう……わらわにとってはただの飾りだというのに、姉様は戦うときに翼を広げて威嚇するつもりなのだろうと言い張った。そんな幼稚なことはせん!思い込みのとばっちりだ!
ふむ、金髪小僧か?知り合って長いが……面倒臭い奴じゃ。あの真っ黒な馳獣だけを気にかけているかと思えば、「禁軍の責務」とばかり言うときもある……しかもそれが常に本心なのだから余計に面倒じゃ!これはお主に似て……って、お主が教えたのだったな!次もしあやつがわらわの絵に忍び込んで来ても、お主の顔を立てたりなどせんぞ!
あの2人、どこをウロついておるのやら……わからぬ。あれ程のことがあったが、時間だけはたっぷりあるからのう。タロⅡを端から端までくまなく巡っておるかもしれぬし、突然戻ってくるかもしれぬ。おい、「コマメ」、掃除は丁寧にと言ったであろう!書画と碁盤は特にじゃ。万が一急に帰ってきて、この散らかりようがバレたら……叱られるのはわらわなのだぞ!
歳ほどアレコレやりたがる巨獣はおらぬ。眠っておるくせに黙ってはおれず、炎国に面倒事を引き起こそうとして、意識も12に分かれ……しかし、代理人たちは各々別の考えを持っていたからのう、面倒事は最終的に自分に帰ってきた。わらわと歳は……歳の最後の意識がタロⅡに運ばれなかったならば、わらわは存在しておらぬ。しかし、歳は歳、わらわとは別じゃ。何の関係もない……これ以上白黒はっきりしていることもないじゃろう。
見落とすでないぞ。
早くせい!掘り出し物じゃぞ!
ふむ……こんなところに、思わぬものが。
気をつけよ。2、3筆ではどうにもならんぞ!
天に洪炉有りて、地が五金を生まん……タロⅡには妙な代物が多いのう。
ついでじゃ、わらわもやろう。
閃きは急にピンとは来んぞ。自分で掴みにいかんと。
うむ……オーリレンを墨に混ぜたら、何が描けるかのう?
墨魎にやらせるのも、案外悪くないかもしれぬ。
休むときは休め。一筆でタロⅡが描けぬのと同じじゃ。
医術にはちいと心得もある。
……思ったより悪くはない。
用心せい!
翼が汚れたではないか。
すっかり興がさめた……
ふん、「後生畏るべし」か。
若造ども、元気じゃのう。
これが「世知」なのか?
はっ……わかったから、よそ見するでない。
グズグズしとったら日が暮れるぞ!
若人の才、見せてもらおう。
まあ、絵の中にいるよりはずっと面白い。
なかなか良い閃きを得た。今日のお出かけは正解じゃ。
物足りん。まだ、墨を摺る力が残っているか?
苦しかろうが勝ったのじゃ。そんなしょげた顔をするな。
勝ちを目指すのは当然じゃが、負けてもどうということはない。わらわがいれば、何の問題もなかろう?
倒れぬか!
退かぬか!
ムラなど許さん!
秩序を知らんのか!
ハリボテめ!
そこをどけ。
手すきになった。
わらわはヒマではないのだぞ?
わらわの墨をムダにするのか?
点睛の一筆!
一筆入魂!
平地風波、海沸き山揺らせ!
斗転星移、剣を構え筆走らす!
鬼斧神工、山河墨と為す!